欧州アートログ

ヨーロッパにおける企画展、ギャラリー、アートフェア等のログを淡々と書き記します。

ロンドンは、この秋から浮世の絵フィーバー

単に今後の展示についての四方山話にて恐縮ですが、最近2022年のRoyal Academy of Arts(RA)の企画展予定が発表されました。

 

今年9月末から2022年1月末にかけて、大英博物館では画狂老人こと葛飾北斎展が開催予定なのですが、

 

なんと、追っかけるように河鍋狂斎(暁斎)展を3月から行うようです。

 

とてもレベッカさんらしい企画です。

現在、RA史上初の女性トップであるレベッカさんは、京都市立芸大で研究されていたことがあるほどの日本版画の鬼。コロナ禍前の2019年には京都で展示も行っています。同年、東京・京橋でも展示をしていたと記憶しています。

そんな彼女らしい、面白い企画展です。

 

と、未だ始まってもいない企画展のお話でした。

ではまた。

ジャン・デュビュッフェ:Brutal Beauty @ ロンドン・Barbican Centre Art Gallery [Log 44]

1980年代初頭ロンドン・シティの中心部に誕生したブルータリスト建築の至宝の一つであり、かつ、欧州最大規模の芸術コンプレックスことBarbican Centre。そのArt Galleryで開催されていた「Jean Dubuffet: Brutal Beauty」に行ってきました。その模様を淡々と書き記します。

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英国政府、アート・デザイン教育への支出を50%削減へ [Log 43]

英国政府は、大学教育におけるアート・デザインコースへの支出を半減し、該当分をSTEM教育分野へ回すことを決定しました。

確かにSTEM(Science, Technology, Engineering, Mathematics)教育は大変重要で、モノつくり国家にとっては根幹となる教育です。情報産業の発展にも不可欠でしょう。

他方で、英国は20世紀半ばにモノつくりから金融やデザインにシフトし、メシのタネとしてきた印象です。英国に、経済や金融、アートやデザインを学びに行く者は多くとも、モノつくりとなると別の国に行くのでは?と思います。せっかく相対的な強味であるアート・デザイン教育への力を抜くとは。。。

 

ちなみに、日本は先月閣議決定された「骨太の方針」を含めて、平成後期からSTEM教育とは異なる言葉を使っています。それは「STEAM教育」(p.16)。A=Artsは所謂人文系科目で「芸術、文化、生活、経済、法律、政治、倫理等を含む広い範囲」だそうです。

 

ところで、英国の削減案の効果は、年間約2千万ポンド(ざっくり約30億円)だそうです。その一方で、「偉大なる英国」のイメージが大好きな現政権は、2億5千万ポンド(ざっくり約380億円)で「ロイヤルヨット」の建造を計画しています。

用途は「浮かぶ大使館」。船上で、投資フェアや外交をするそうです。

国費支出の優先順位として、どうなのでしょうかね。

 

ではまた。

デイヴィッド・ホックニー:The Arrival of Spring, Normandy, 2020 @ロンドン・RA [Log 42]

RAで開催されている「David Hockney: The Arrival of Spring, Normandy, 2020」展に行ってきました。その模様を淡々と書き記します。

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Creativity is essential : Supermarket @ ロンドン Design Museum [Log 41]

The Design Museum(のショップ)で5日間だけ開催されていたSupermarketに行ってきました。その模様を淡々と書き記します。

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2020年 世界のアート市場は約22%減 / The Art Market 2020 [Log40]

本日、Art Basel及びUPSから、「The Art Market 2021」が発表されました。その概要を淡々と書き記します。

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記事のポイント

  • 世界全体の市場規模は昨年に続く縮小
  • 地域別では中国の相対的比率が引き続き増加
  • 市場の地殻変動なるか
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新型コロナ:ロックダウンの段階的緩和に向けて

ご無沙汰しております。

ロンドンは、今週から天気が良く、気温も上がり、日暮れも遅って、雨模様で日暮れが15~16時という暗い冬から、近づく春の足音を次第に感じられるようになりました。

そんな週初め、首相からロックダウンの段階的緩和に関するロードマップが発表されました。

 

 

要約すると下記のステップとなります。

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3月8日:学校再開。屋外で他人1名と会うこと(座ってお茶する等)が解禁される

 

3月29日:屋外で他人5名までと会うことが解禁される。引き続き在宅勤務奨励

 

早くて4月12日:食料等必需品点以外の小売店舗営業解禁(つまり、このタイミングで商業ギャラリーは再開可)。やっと髪を切れる。ジムも再開可。パブで一杯も、屋外席なら解禁

 

早くて5月17日:屋内で他人と会うことが解禁。パブ等でも他人5人までと飲食可能。屋内施設である映画館、博物館等も解禁(つまり、このタイミングで美術館は再開可)。冠婚葬祭も30名まで挙行可。海外旅行も解禁か

 

早くて6月21日:全制限撤廃

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昨年は夏の時期に制限を緩めた結果として秋口から感染者数急増という事態に遭遇していますが、今年はワクチン接種が驚くほどのスピードで進んでいます。

例えば、先週一週間でワクチン接種を受けた人の数は、イングランドで約200万人です*1

英国人口約6,700万人のうち約1,900万人(約28%)が、既に一回以上の接種を終えています。

急に英国の本気を見せつけられています。EU離脱交渉とは大違いの、電光石火の早業です。

 

というわけで、早くて4月には、中身のある記事更新を再開できることを期待しております。

引き続き、ご自愛ください。

新型コロナ:イングランドは3度目のロックダウン

既報のとおり、4日20時(グリニッジ標準時)、イングランドは3度目のロックダウンに突入することが発表されました。一部閣僚は3月まで続くだろうと発言しており、コロナ禍による制限が1年を超える見込みとなりました。

 

当地では、3月後半~5月、11月と2度ロックダウンが実施され、その間も3段階の地域ごとの制限等により、行動制限が実施されてきました。

しかし、一方で人の移動が多くなる夏とクリスマス前に制限を緩めてし感染が再拡大するという、楽観的な見通しが前線を苦しめるという失敗を繰り返しています。

もちろん経済への影響も甚大ですが、最前線で戦う医療・福祉従事者は、長く続く消耗戦に相当苦しんでいる模様です。

 

容易に変異を繰り返すことが出来るコロナウイルスと、RNAワクチンという新たな武器を得た人類との闘いはいつ終わるのでしょうか。

このような状況のため、実地の鑑賞を投稿することは暫く難しそうです。頻度は落ちるかと思いますが、可能な形で本ブログの更新は続けて参りたいと存じます。

 

日本においても、緊急事態宣言がまもなくの様子。みなさま、くれぐれもご自愛ください。

春には、明るい展望が見通せるようになっていますように。

 

 

【関連する過去記事】

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ダミアン・ハースト:End of a Century @ ロンドン・Newport Street Gallery [Log39]

アーティスト所有のギャラリーであるNewport Street Galleryで開催されている「End of a Century」に行ってきました。その模様を淡々と書き記します。

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