オノ・ヨーコ:MEND PIECE for London @ ロンドン・Whitechapel Gallery [Log 45]
私の制作したアートピースが、現代アートの名門Whitechapel Galleryで開催されている「Yoko Ono: MEND PIECE for London」に展示されています。その模様を淡々と書き記します。
最初にネタバレをしておくと、本展示は、オノ・ヨーコさんのスタイルの一つである来場者参加型のものです。
来場者が(コロナ禍のため要事前予約)、破壊された皿やカップの破片を「修復」する作業、そして「完成」したものが、作品です。
オノ・ヨーコさんについて
オノ・ヨーコさん(1933~)は、ジョン・レノンさんと結婚されたことで有名ですが、ご自身はそれ以前から著名な現代アーティストです。
観客が彼女の衣服を切り取る「Cut Piece」等で有名ですね。
今回この記事を書くに当たって、初めて彼女が相当裕福なご家庭のご出身であること、レノン以前の婚姻歴等について知りました。
浅学ながら、息子さんのショーン・レノンさんは、日本人にはホンダ車フリードのCMに出てた人としての印象が強いかと存じます。
どんな作品があった?
展示の内容は上記のとおりです。
2か所のテーブルの上に、破片が散らばっており、間にセロテープ、タコ紐及びボンドが置かれていました。予約した来場者は、思い思いに「作品」を制作し、壁に設けられた棚に置いて行きます。
この作品は、1966年にロンドン・インディカギャラリーで開催された彼女の個展にて「Mending Piece Ⅰ」として展示されていたようです。ちなみに同展は、ジョン・レノンさんがオノさんの才能に惚れた個展だそうです。
スタッフの方に、オノさんから参加者への説明方法等の指示はあったか?と聞いてみたところ、「破片を使って制作してください」以上の話は特になかったとのことです。
感想は?
童心に帰って制作を楽しんできました。幼稚園・小学校時代の手遊び・図工の感覚なんて久しく忘れていたな、などと思いながら。
Mend carefully.
Think of mending the world
at the same time.
y.o.
と壁に記してあるのを見て、ぱっと思い付いたのはヨットでした。
破片を2つ繋げて、船体と帆とに見立てる。
出来てしまうととても簡単で当たり前なようですが、破片を破片の上に立てるのはとても難しく、偶然のバランスを発見しなければならない。
平和、幸福、自然の調和等も当たり前のようで、繊細なバランスとそれを保とうとする努力とで成り立っているのではないか。
出来上がったものは、前に進む力があると良いな。
なんてことが急に浮かんできたので、ヨット型を数点作成してきました。
上の写真のどこかに載っています。
作品を鑑賞するだけでなく参加するという、面白い経験が出来ました。
ではまた。