世界企画展ランキング:トップ5をブラジル・日本が席巻 / Art's Most Popular 2019 [Log11]
The Art Newspaperから、2019年の世界企画展ランキングが発表されました。その概要を淡々と書き記します。
記事のポイント
- トップ5はブラジル又は日本での企画展
- もっとも「人気」な作家は、艾未未
- 日本のマンガがレンブラントに勝利
ランキングトップ5は?
3月31日付けで発表された一日当たりの入場者数に基づくトップ5は、下記のとおりとなっています。
- DreamWorks(Centro Cultural Banco do Brasil / リオ)
- DreamWorks(Centro Cultural Banco do Brasil / ベロ・オリゾンテ)
- Ai Weiwei: Root(Centro Cultural Banco do Brasil / リオ)
- ムンク展-共鳴する魂の叫び(東京都美術館 / 東京)
- クリムト展 ウィーンと日本1900(東京都美術館 / 東京)
ブラジルと日本とが席巻です。1位と2位は、ドリームワークス社によるアニメーション作成の裏側等に関する展示だったようです。ランキングの続き等の詳細は、下記の元記事をご覧ください。
なお、3月頭に発表された日本の展覧会入場者数トップ30と数字が微妙に異なるので、データを利用される際は、ご留意願います。こちらで一日当たり入場者数が圧倒的な奈良国立博物館における正倉院展については、The Art Newspaper側も認識しており、数字を紹介した上で宗教的なものが主なので除外するとしています。東京国立博物館の東寺展は、7位にランクインしているのですが…。
また、元記事は、ランキングをもとに、艾未未(アイ・ウェイウェイ)が世界で最も「人気」のアーティストだとしています。本投稿の写真は、ロンドンのギャラリーで開催された同名の展示にて撮影したものです。
欧米主要都市の企画展ランキングは?
ロンドン、パリ、ニューヨークにおける有料展一日当たり入場者数トップ3は、下記のとおりです。
[ロンドン]
- Anthony Gormley(RA)
- Van Gogh and Britain(Tate Britain)
- Summer Exhibition 2019(RA)
[パリ]
- ツタンカーメン展(La Villette)
- Jean-Michel Basquiat / Egon Schiele(Fondation Louis Vuitton)
- Black Models: from Gericault to Matisse(Musee d`Orsay)
[ニューヨーク]
- Camp: Notes on Fashion(Metropolitan)
- Jennifer Bartlett: Rapsody(MoMa)
- Bodys Isek Kingelez: City Dreams(MoMa)
なお、長くなるのでトップ3を抜粋しましたが、ロンドンのランキング8位には大英博物館で開催された「マンガ展」が登場していました。この点、The Art Newspaperの別記事は、同展は2019年における大英博物館最大のヒットであり、350回忌のレンブラント展より一日当たり入場者数が100人近く多いと報じています。
美術館入場者数の世界ランキングは?
展覧会単位でなく、美術館としての入場者数総数ランキングは下記のとおりです。
- ルーブル美術館 / パリ
- 中国国家博物館 / 北京
- バチカン美術館 / バチカン
- メトロポリタン美術館 / ニューヨーク
- 大英博物館 / ロンドン
- テートモダン / ロンドン
- ナショナルギャラリー / ロンドン
- エルミタージュ美術館 / サンクト・ペテルブルグ
- ソフィア王妃芸術センター / マドリッド
- ナショナル・ギャラリー・オブ・アート / ワシントンDC
感想は?
東京、ロンドン、パリ及びニューヨークそれぞれ、ランキング上位に来る展覧会の「時代」に特色がある気がします。また、DreamWorks社はアメリカの企業ではありますが、日本においてマンガ・アニメといった表現をきちんと育てる重要性がにじみ出ていると感じます。
現下の難しい局面に鑑み、本年は展覧会への客足も苦戦することになろうかと思います。少しでも早く、状況が良くなりますよう。
ではまた。