欧州アートログ

ヨーロッパにおける企画展、ギャラリー、アートフェア等のログを淡々と書き記します。

コロナ禍でギャラリー売上36%減 / Art Basel & UBS レポート [Log32]

本日(9日)、Art Basel及びUBSから、「The Impact of COVID-19 on the Gallery Sector」が発表されました。その概要を淡々と書き記します。

 

記事のポイント

  • ギャラリー売上は平均36%減(2020年前期)
  • ギャラリーの1/3がスタッフを解雇
  • 完全閉鎖したギャラリーは2%にとどまる
  • アートフェアは、今後も見通しが厳しい
  • 売り方はオンライン、世代はミレ二アルが重要に

 

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記事まとめ:コロナ禍に関する記事一覧

Logも30に達し、かつ、有難いことに読者様も50人を突破したタイミングで、一度記事のまとめ記事を投稿いたします。カテゴリーで区分しているものの、今後のため、コロナ禍関連という横の切り口も整理しておこうというものです。

 

本ブログで最初に新型コロナウイルスについて触れたのは、下記3月19日付の記事でした。

これ以前、1月末にWHOが緊急事態だと宣言しており、2月3日に横浜港に感染者を乗せたクルーズ船が入港しています。この頃の英国メディアの論調は、コロナ禍は東アジアでの出来事という感じでした。

しかし、3月に入り、南欧諸国を皮切りに欧州内でも次々と罹患者が発覚。自分事という雰囲気が漂ってきました。同月9日にはイタリアで移動制限が導入され、12日にWHOがパンデミックを宣言しています。

そんな中、オランダ・マーストリヒトで開催されたアートフェアに出かけたところ、当該フェアが訪問直後に打切りとなったところから、コロナ関連の記事が増えてきました。

 

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Writing Beyond @Axel Vervoodt Kanaal / 具体美術協会作品を柱の一つとした展覧会 [Log31]

Axel Vervoodt Kanaalで開催されている「Writing Beyond」をオンラインで鑑賞しました。その模様を淡々と書き記します。

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Axel Vervoodt「Writing Beyond」映像より 

 

記事のポイント

  • "セレブ"に人気のデザイナー兼アートディーラー
  • 欧州における「ワビサビ」の妙手
  • 具体美術協会を柱とに哲学的雰囲気のある展示
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Kimono: Kyoto to Catwalk@ロンドン・V&A [Log30]

V&Aミュージアムで開催されている「Kimono: Kyoto to Catwalk」のキュレーター・ツアーをオンラインで鑑賞しました。その模様を淡々と書き記します。

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© Victoria and Albert Museum, London

 

記事のポイント

  • 着物の日本国外への影響に着目
  • インクルーシブな衣類としての着物
  • ファッションデザイナーを魅了する自由さ
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Cao Fei: Blueprints @ロンドン・サーペンタイン・ギャラリー [Log29]

サーペンタイン・ギャラリーで開催されている「Cao Fei: Blueprints」に行ってきました。その模様を淡々と書き記します。

いや、今回は少しカロリー多めに書き記します。本ブログにしては長い投稿なので、お時間ない方は太字だけでも斜め読みして頂ければ幸いです。

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記事のポイント

  • 中国を拠点とする中国人アーティストの巨星
  • 先端技術を使ってディストピア感を演出した作品
  • その描写するものの真意は、もしかして…

 

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ロンドン・テート・ブリテン(入場制限下の訪問記録)[Log28]

前回のナショナル・ギャラリーに続いて、テート・ブリテンを訪問しました。その模様を淡々と書き記します。

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記事のポイント

  • コロナ下で、厳密な時間予約制による入場管理
  • 予約段階で、鑑賞する年代を選択
  • 空いていて、じっくり鑑賞するにはおススメ

 

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ロンドン・ナショナル・ギャラリー(日本展を一層楽める絵画を現地より)[Log27]

ロンドンの美術館もコロナウイルスにより長期閉鎖を余儀なくされていましたが、色々対策を講じた上で7月以降順次再オープンしています。この度、ナショナル・ギャラリーを訪問しました。その模様を淡々と書き記します。

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記事のポイント

  • コロナ下で、厳密な時間予約制による入場管理
  • 入ってしまえば、中は結構人がいた
  • 東京・大阪展で見られないおススメは、こちら 

 

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新型コロナ:英国人の半数は美術館等を避ける動き [Log26]

英国の美術館等に再開の動きがある中、英国人の約半数はあまり行きたがっていないという調査結果が示されました。その概要を淡々と書き記します。

 

当該結果は、英国の調査会社であるイプソス・モリ社(世界的な調査会社であるイプソス社の英国法人)が行ったコロナ後の人々の行動選好に関する調査によるものです*1。49%の人が、美術館等の屋内での展示に「あまり行きたくない」「まったく行きたくない」との回答をしました。「とても行きたい」「比較的行きたい」という回答は34%にとどまりました。

 

ちなみに、それ以上に「躊躇する」(=「あまり行きたくない」「まったく行きたくない」)との回答が多かったのは、

 - 大人数が集まるイベントに行く(65%に「不評」)

 - 公衆トイレを使う      (62%)

 - レストランやバーに行く   (60%)

 - 公共交通機関を使う     (59%)

 - 映画館や劇場に行く     (59%)

 - 海外旅行に行く       (57%)

といったものが挙げられます。

さらに、日常の行動であるところの、国内旅行や子供を学校に行かせることについても42%、職場に行くことについても34%が「躊躇する」と回答しています。

 

つまり、一瞬美術館等の任期が急激に低下したと見えますが、レストランや公共交通機関に比べると「躊躇する」行動ではないということが分かります。とはいえ、入場制限もあり、夏の間は美術館等にとって暫く厳しい状況が続くと思われます。

 

ではまた。

Art Basel & Masterpiece 初夏のオンラインフェア [Log 25]

オンラインで開催されたArt BaselとMasterpieceを訪問しました。その模様を淡々と書き記します。

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画像引用:Masterpiece Onlineトップページより

 

記事内容に入る前に、先月来私事でバタバタしておりブログを放置していたら、気が付くと前回投稿より約1か月が経過してしまいました。夏の間は暫く更新頻度を落としてお送りして参ります。恐縮ながら、引き続きお付き合いいただければ幸いです。

 

記事のポイント

  • Art Baselではオンラインへの関心が低下?
  • これまでよりメガ以外に注目する動きも
  • 中小はアーティスト紹介を通じたマーケティングか

 

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リン・チャドウィック展 / AT HOME [Log 24]

Pangolin Londonがオンラインで開催している「Lynn Chadwick: AT HOME」を鑑賞しました。その模様を淡々と書き記します。

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画像引用:Pangolin London Exhibitions ページより

 

記事のポイント

  •  WW2後の英国を代表する彫刻家の一人
  •  アーティストと「裏方」との温かい関係
  •  「裏方」は、アートで世界を変えたい

 

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