欧州アートログ

ヨーロッパにおける企画展、ギャラリー、アートフェア等のログを淡々と書き記します。

新型コロナ:2020年のアートシーンを振り返る

本当に、コロナ禍に覆われた2020年でした。

私のいるロンドンでは、3月にロックダウン、夏に制限が緩和されたことで感染急拡大、秋に次第に行動制限が厳しくなり、11月は一か月再ロックダウン、クリスマス前に変異種が出てきて緊急再々ロックダウン状態←いまここ、という感じで、3月以降ほぼ何らかの制限が続いています。

厚生と経済とのはざまで、難しい立場に置かれた方、その中で命と生活とを支えるキーワーカー、人同士の接触を減らしながら繋がり続けようとする人々等、様々な物事を目の当たりにし、コロナ以前は当然だと思われていた状況を再考する年になったと思います。

末文ながら、くれぐれもご自愛頂き、良い年末年始をお過ごしください。

ではまた。

塩田千春: Navigating the Unknown@ロンドン・KÖNIG LONDON [Log37]

KÖNIG LONDONで開催されている「Chiharu Shiota: Navigating the Unknown」に行ってきました。その模様を淡々と書き記します。

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記事のポイント

  • 昨年森美術館で入場者数約67万人を誇った塩田さん個展
  • 作家の魅力の凝縮された展示
  • コロナ禍の不安な時代を感じる
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コリー・アーケンジェル: Totally Fucked@ロンドン・Lisson Gallery [Log36]

Lisson Gallery (22 Cork St)で開催されている「Cory Arcangel: Totally Fucked」に行ってきました。その模様を淡々と書き記します。

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記事のポイント

  • ゲームアートで有名
  • マリオの魔改造
  • いまが食べごろの作品

 

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アーティストはコロナ禍をどう感じたか@ロンドン・pm/am [Log35]

ロンドンにある若手アーティストを応援するギャラリーpm/amで開催中の展覧会に行ってきました。その模様を淡々と書き記します。

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※注: 本記事は、非公開情報等を伏せて投稿しています。後日、情報がギャラリーのウェブサイトで公開になったら加筆の予定です。

 

つながりのあるアーティストの作品が展示されるということで、ロックダウンの解けた最初の週末である金曜日の夜、西ロンドンのpm/amで開催される展覧会のオープニングに行ってきました。

展示されている作品は、ロンドンのみならず、米国や大陸欧州の若手アーティストが、コロナ禍の中で感じたことを作品にしたもの。当然、本年3月以降に作成されています。

 

写真の一番手前にある作品は、タブローと、それに向かい合ったスピーカーから発されるサウンドと、Instagram AR filterで見た風景とが交錯するクロスメディアなもので、詳述しませんが現場にいた作家による解説は深い感銘を覚えるものでした。

 

情報過多、孤独、バーチャル化、記憶、忘却等々が、ダイレクトに表現された作品達は、2020年を鮮明に描き出す表現ばかり。

このコロナ禍、そしてそれにより生じた社会変化を、どう感じましたか?

ではまた。

新型コロナ:イングランドは間もなくロックダウン解除

今週、12月2日までのイングランドにおける再ロックダウンは予定通りに終わり、翌3日から再び3段階の行動制限に移行することが発表されました。

26日に地域ごとの行動制限段階(Tier)が発表され、私のいるロンドンは2段階目になることが明らかになりました。

当該段階では、美術館、ギャラリー等のオープンが認められます。

再び本ブログを更新できることを楽しみにしております。

その前に、髪を整えなければ。。。

 

ではまた。

新型コロナ:再ロックダウン

今週5日より、イングランドは再ロックダウンとなりました。

美術館・ギャラリー閉鎖のため、暫く更新ペースが落ちることとなります。

とりあえず12月2日までというスケジュールで始まった再ロックダウンですが、既にそんな短期間では終われないという説が流れています。

 

最近の英国政府中枢は、重要な決定事が発表前にリークされる事態が続いたり、再ロックダウンの根拠となるデータ(放置した際の死亡者数推計)が大きく間違っていたりと、「大丈夫かな?」という状況です。

そして、市民も市民。再ロックダウンの前日夜は、最後の自由を楽しむ皆様で、どのレストランも大混雑。再ロックダウン最初の週末だった今日は天気に恵まれ、公園は「フェスかな?」というほどの大混雑。

この国の、ウイルスとの闘いは、暫く終わりそうにもありません。。。

 

寒さも厳しくなる折、くれぐれもご自愛ください。

ではまた。

ご紹介:ポスト資本主義は「新しい」ということを特権としない

ご紹介です。

コロナに先立つ昨年秋、「ArtReviw」誌でメインとして大々的に取り上げられた「A Drunk Pandemic」という作品において*1、英国・マンチェスター(現在感染再拡大の勢いが凄い)における疫病蔓延を題材とした日本人アーティスト集団のChim↑Pom、そのメンバーである卯城さん*2が大変面白い文を上梓されていたのでご紹介します。

*1:2019年のSeptember号。同誌上において制作意図が分かるチャートのようなものが披露されているので、機会あればお読みいただくと面白いです。

*2:リーダーだと思ってが、今はそうではないらしい。本文によると。

ゲオルク・バゼリッツ展@ロンドン・Michael Werner & White Cube [Log34]

Michael Werner Galleryで開催されている「Georg Baselitz / I was born into a destroyed order」とWhite Cubeで開催されている「Georg Baselitz / Darkness Goldness」に行ってきました。その模様を淡々と書き記します。

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White Cube展の様子

記事のポイント

  • 押さえておくべき画家のお一人
  • 具象から、モチーフ自体の意味を取り除く
  • ゲオルク、闇が深いのかな?

 

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Frieze Sculpture 2020 in Regent's Park [Log33]

記事の更新間隔が再び1か月を超えてしまいました。この間、ロンドンは夏から秋を通り越して冬の雰囲気に。そして、コロナ感染再拡大を受け、今週末から再び行動制限が強化されます。

それに先立ち、ロンドン・リージェンツパークでアートフェアFriezeに合わせて開催されているFrieze Sculpture 2020を鑑賞してきました。その模様を淡々と書き記します。

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